新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを「2類相当」から「5類」に引き下げる政府方針に対し、各地の知事からは「国民の不安や医療現場の混乱を招かないよう、迅速かつ丁寧に検討してほしい」(山口県の村岡嗣政知事)との声が相次いだ。また、コロナ対策に必要な財政支援の継続を求める意見も出た。
東京都の小池百合子知事は20日の記者会見で「法的な位置付けが変わっても、ウイルスの病原性や感染力は変化するわけではない」と指摘。「今後も感染拡大の可能性があるので、都民や国民が不安を抱くことがないよう、段階的に移行を進めるべきだ」と注文を付けた。自治体のコロナ対策に充てられる国の交付金に関しても、鹿児島県の塩田康一知事は20日の会見で「必要な予算はしっかりと確保する必要がある」と訴えた。
5類への移行により、住民生活や地域経済の正常化に向けて一歩進む形となるため、各知事は政府方針を前向きに受け止めている。全国知事会長を務める鳥取県の平井伸治知事は「高く評価する」とのコメントを20日に発表。その上で、医療費やワクチン接種の公費負担の扱いなどについて、地方側との十分な協議を求めた。
5類移行に伴うマスク着用見直しへの意見も上がった。大阪府の吉村洋文知事は20日、記者団の取材に対し、学校での着用に関して「もうやめるべきだ」と強調。一方で「成人社会では一定の方向性を示しながら、個人の判断に委ねるべきだ」と語った。 (C)時事通信社
「混乱回避を」の声、相次ぐ=5類移行、財政支援継続も―各知事・新型コロナ

(2023/01/20 18:15)