「マインドフルネス」と呼ばれる瞑想(めいそう)で拒食症患者の不安が軽減すると、京都大病院精神科の野田智美研究員らの研究グループが2日発表した。拒食症の治療につながる可能性があるという。論文は同日、英国際学術誌の電子版に掲載される。
マインドフルネス瞑想の一つに、呼吸や身体の感覚に注意を向け、考え事を始めた後に再び呼吸や身体に注意を向け直す方法がある。研究グループは京大病院に通院する拒食症の20~50代の女性21人に病院や自宅で週1回、毎日5~20分間、この方法で瞑想してもらう実験を1カ月行った。
心に感じた不安を実験前後にアンケートで自己評価してもらったところ、不安に関する点数が実験後に低下した。また、脳の状態を機能的磁気共鳴画像(fMRI)で調べると、実験後には不安に関わる脳領域の活動が低下していた。
拒食症は体重増加に対する過剰な不安が中心的な特徴という。野田研究員は「今後、より長期間の実験や、瞑想をしない場合との比較に取り組み、マインドフルネスの拒食症治療への応用につなげたい」と話している。 (C)時事通信社
拒食症患者、瞑想で不安軽減=関連の脳活動も低下―京都大病院
(2023/02/02 01:06)