内閣府は8日、国際経済の動向を分析した報告書「世界経済の潮流」を公表した。新型コロナウイルスに対する厳格な感染対策や米中貿易摩擦を背景に、欧米企業ではサプライチェーン(供給網)を中国から東南アジアにシフトする動きが加速。一方、東南アジアの中国依存度は高く、供給網の「脱中国」は「容易ではない」と分析した。
 報告書によると、東南アジア諸国連合(ASEAN)の2021年の対米輸出額は15年比で2倍に伸長。米中摩擦の先鋭化に伴い、米国企業が中国との取引を回避したほか、中国企業も追加関税措置を避けるため一部工程を東南アジアに移管したことなどが背景にある。 (C)時事通信社