【ジュネーブAFP時事】世界保健機関(WHO)などは23日、全世界で妊娠や出産に関係して死亡した女性が2020年は10万人当たり223人で、00年の同339人から34%余り低下したとする報告書を公表した。ただ、00~15年に大きく改善したものの、16~20年は足踏み状態で、一部地域で上昇した。
 00年は1日平均800人近くの女性が、妊娠・出産関係で死亡した。大量出血感染症、安全ではない妊娠中絶に伴う合併症などが主な死因で、多くは予防や治療が可能とされる。
 WHOのテドロス事務局長は「妊娠は全ての女性にとって、計り知れない希望であり素晴らしい経験であるべきだが、悲惨なことに世界中の何百万人もの女性にとっては危険な経験でもある」と指摘。全女性が確実に医療サービスを受けられるようにすることが、早急に必要だと訴えた。
 世界8地域で16~20年に妊産婦死亡率が低下したのは、「オーストラリア・ニュージーランド(NZ)」と「中央・南アジア」の2地域のみ。「欧州・北米」と「中南米・カリブ海」では上昇し、それ以外の地域は横ばいだった。 (C)時事通信社