日本政府が、中国に対する新型コロナウイルス対策の水際措置緩和を表明したことを受け、旅行・航空業界からは「日中間の往来がしやすくなる」(全日本空輸)と歓迎の声が上がった。ただ、中国は日本への旅行を制限したままで、中国からの訪日客回復につながるかは不透明だ。
コロナ禍で急減した訪日客数は、昨秋の大幅な水際緩和で回復基調に転じ、今年1月は約149万人と、コロナ前の2019年同月と比較して5割超の水準まで戻った。しかし、当時全体の3割程度を占めた中国(香港を除く)の訪日客は約96%減と低迷を続けている。
中国政府は「ゼロコロナ」政策を解除したものの、引き続き日本行き団体旅行の販売を禁止。旅行業界関係者は「解禁されなければ、中国人訪日客が急に増えることはない」と指摘する。
日中間の航空便数が大幅に減っていることも課題だ。日本政府は今回、航空会社に増便を認める方針を示したが、実際の増便には中国側の認可も必要となる。「人の往来が増える3月に増便できるようになれば望ましい」(航空大手)との期待はあるが、中国政府の対応にも左右されそうだ。 (C)時事通信社
対中水際緩和を歓迎=訪日客回復は不透明―旅行・航空業界

(2023/02/27 21:19)