参院予算委員会は2日午前、岸田文雄首相と全閣僚が出席して、2023年度予算案に関する2日目の基本的質疑を行った。物価高騰への対策について、首相は「不透明な状況をしっかり見据え、必要な対策はちゅうちょなく機動的に対応したい」との考えを示した。新型コロナウイルス対策の検証実施に関しては明言を避けた。
 電力大手の料金値上げ申請を厳格に審査することや、輸入小麦売り渡し価格の激変緩和措置を講じることも強調した。
 扶養家族の対象から外れ社会保険料負担が生じる130万円の「壁」への対応については、「単身者との公平性に留意しつつ対応策を検討したい」と述べた。公明党の西田実仁参院会長への答弁。
 5月に新型コロナ感染症法上の位置付けを見直すことを巡り、日本維新の会の猪瀬直樹氏は、多額の国費を投入した各種コロナ対策を第三者で検証するかをただした。首相は「まだ新型コロナとの戦いは終わっていない。節目節目での検証は大事だとは思う」と述べるにとどめた。
 1、2両日にインドで開かれている20カ国・地域(G20)外相会合を林芳正外相が欠席した理由について、首相は「外相の出席を追求したが、国会を含む国内日程を総合的に判断した」と説明。3日に同国で開かれる日米豪印4カ国の連携枠組み「クアッド」外相会合への対応は「林外相が出席する方向で最終調整中だ」と述べた。維新の音喜多駿政調会長への答弁。 (C)時事通信社