東京都八王子市の「滝山病院」の入院患者に対する暴行事件を巡り、埼玉県所沢市に住んでいた50代の元男性患者が、家族の同意なく同病院に強制入院させられたとして、手続きをした同市の職員や同病院を監禁容疑で埼玉県警所沢署に刑事告訴した。告訴は1日付。患者側代理人の相原啓介弁護士が8日、都内で記者会見し明らかにした。
 告訴状によると、所沢市などは2018年、統合失調症などを発症していた男性患者を、本来必要な家族の同意を得ずに同病院に医療保護入院する手続きを行い、不法に監禁したとされる。男性には同市在住の連絡の取れる姉がいたが、同市は「音信不通」などとして虚偽の書類を作成した疑いもあるという。
 精神保健福祉法では、医療保護入院には家族の同意が必要と定められている一方、行方が分からないなど音信不通の場合は市町村長の同意で入院させることができる。 (C)時事通信社