厚生労働省は8日、薬物・ギャンブル・アルコールなどの依存症について理解を深めるためのイベントを東京・銀座の時事通信ホールで開いた。登壇した国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の松本俊彦薬物依存研究部部長は、「依存症は孤独が大好物。一人で抱え込まず、話を聞いてくれる人や施設とつながってほしい」と訴えた。覚醒剤事件で逮捕され、有罪判決を受けた俳優の高知東生さんらも参加した。
高知さんは、依存症からの回復に向けた自助グループに加わり、悩みを抱える者同士で会話する取り組みを続けている。イベントのトークセッションでは、「弱さや寂しさを抱えているのは一人ではないと気付いた。(自分の経験を)話せば、だんだん気持ちが楽になった」と語った。
依存症は、適切な治療とその後の支援によって回復できる病気とされる。一方で、社会の偏見・差別から、本人に認めたくないという意識が生まれ、適切な治療に結び付かないケースがあるという。
「ギャンブル依存症問題を考える会」の田中紀子代表は自身もギャンブル依存症だった経験がある。田中さんは「自助グループで正直に話すことは、強さにつながってくる。周りの支えや自分が正直になることで、生きやすくなった」と振り返った。 (C)時事通信社
依存症「抱え込まないで」=都内で普及啓発イベント―厚労省

(2023/03/09 11:55)