新型コロナウイルス対策のマスク着用が個人の判断に委ねられた13日朝、東京や大阪を行き交うサラリーマンや旅行客の多くはマスクを着けたままで、通勤風景にはほとんど変化がなかった。「やっと外せた」と歓迎する声の一方、花粉症などを理由に「使い続ける」という意見が多かった。
JR大阪駅近くでは、通勤客らの多くがマスクをして職場へと急いでいた。飲食店勤務の男性(51)は「感染対策もあるが、慣れてしまった。着けている方が安心」と話し、今後もマスクを外さないという。4月に就職予定という男子学生(24)は「今は花粉症がつらいから着ける」とマスク生活を続けるが、「これから気温が上がって暑くなったら外そうかな」と語った。
一方、マスクを外して通勤中の女性会社員(49)は「病院などは例外だが、基本的にもういいのでは」と歓迎し、「マスクを外すと口元が見え、春らしいメークができる。やっとおしゃれを楽しめる」と喜んだ。早い時期からマスクを外していたという男性会社員(64)は「呼吸が苦しいので嫌だった。やっとという気持ちだ」と話した。
東京都大田区の羽田空港国内線ターミナルでも、旅行客らの9割ほどがマスクを着けていた。夫と屋久島に行くという児玉信子さん(74)=横浜市=は政府の方針を「自由でいいと思う」と評価しつつ、花粉症や感染対策を理由に「私はこれからも使い続ける」と明言した。これから友人たちと沖縄に行く男性(18)は「もともと屋外では着けていないが、屋内でも正式に外せてうれしい。機内でも着用しないつもり」と話していた。
JR東海は、これまで列車内などで放送していたマスク着用のお願いを取りやめたが、JR東京駅の新幹線ホームではほとんどの人がマスクをしたまま。友人と京都に行くという自営業の女性(65)=東京都世田谷区=は「今は花粉症でマスクを着けている。暖かくなってきたので、すいている場所では外したい」と話した。
一方、マスクをせずに列車を待っていた男性会社員(58)は以前から自分の考えで着けていなかったといい、「政府の判断は遅かったと思う」と語った。 (C)時事通信社
「やっと」「使い続ける」=脱マスク初日、慎重派が多数―花粉症も影響か・東京、大阪

(2023/03/13 11:30)