75歳以上が加入する後期高齢者医療制度の保険料引き上げや、患者に身近な「かかりつけ医」の機能強化を柱とした健康保険法などの改正案は16日、衆院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りした。改正案には、少子高齢化や人口減少を踏まえた給付と負担の見直しを盛り込んでおり、政府は早期成立を目指す。
 岸田文雄首相は答弁で「本格的な少子高齢化社会を迎える中、全世代が能力に応じて公平に支え合う仕組みが重要だ。全ての世代が安心できる持続可能な社会保障制度を構築する」と訴えた。
 改正案は現役世代の負担を軽減するため、負担能力がある後期高齢者の保険料見直しを明記。年金収入が153万円を超える75歳以上の保険料を収入に応じて引き上げ、年間上限額も66万円から80万円に見直す。約4割が対象となる見込みで、2024年度から段階的に実施する。
 また4月から、子どもが生まれたときに支給する「出産育児一時金」が50万円(現在原則42万円)に増額されるのに伴い、一時金の7%分を後期高齢者医療制度から負担する仕組みを導入する。 (C)時事通信社