内閣府は31日、15~64歳の国民の約2%に当たる約146万人が引きこもり状態にあるとの推計をまとめた。うち2割が新型コロナウイルスの流行がきっかけとしている。同府の担当者は「引きこもり状態の人は50人に1人と人ごとではない。心身のケアを視野に入れた政策を講じる」と話している。
 推計の基となった調査は昨年11月、全国の10~69歳の男女3万人に郵送やオンラインで実施。1万3769人から有効回答を得た。このうち引きこもりは、生産年齢人口に当たる15~64歳を分析。同府は過去も同種の調査をしているが、年齢層は今回が最も広い。
 病気などを除き「趣味の用事のときだけ外出する」「自室からは出るが、家からは出ない」「自室からほとんど出ない」といった状態が6カ月以上の人は、15~39歳で2.05%、40~64歳で2.02%おり、全国の数字に当てはめて146万人と推計した。
 引きこもり期間は15~39歳は「6カ月~1年未満」(21.5%)、40~64歳は「2~3年未満」(21.9%)が多かった。主なきっかけは、15~39歳では「人間関係がうまくいかなかった」(20.8%)が多く、「コロナの流行」(18.1%)が続いた。40~64歳は「退職」(44.5%)、「コロナの流行」(20.6%)の順に多かった。
 内閣府の担当者は「コロナで外に出づらく、オンライン授業やテレワークをできる状況が、引きこもるきっかけになり得る」と指摘している。 (C)時事通信社