【北京時事】在中国日本大使館は4日午後、反スパイ法違反で中国当局に北京市内で拘束されたアステラス製薬の日本人男性に領事面会した。男性は「健康状態に特段、問題は生じていない」と述べた。日本政府は引き続き、支援を行うとともに早期解放を求めていく。日中関係筋が明らかにした。
 訪中した林芳正外相は2日、中国の秦剛国務委員兼外相との会談で、男性の早期解放と領事面会の実現を要求。秦氏は「法に基づいて処置する」と応じていた。ただ、会談と面会実現の関連性は不明で、早期に解放されるかも分からない状況だ。岸田文雄首相も3日、「引き続き中国側に早期解放と領事面会を強く申し入れる」としていた。
 男性は50代で、同社の北京駐在幹部。3月に拘束され、中国外務省の毛寧副報道局長は記者会見で「スパイ活動を行った反スパイ法違反などの疑いで刑事強制措置を講じた」と明らかにしたものの、具体的な容疑内容の説明は避けている。 (C)時事通信社