新型コロナウイルス対策を助言する厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」が5日開かれ、オミクロン株の新系統「XBB・1・5」が検出される割合が、他の亜系統と比べて最多となるとの試算が公表された。これまで主流の「BA・5」などから置き換わりが進むとみられる。
 国立感染症研究所などは、民間検査機関によってゲノム解析された全国の計800検体から、亜系統の検出割合を分析。「XBB・1・5」は9日までに全体の37%に達すると推定した。「BA・5」は16%だった。
 専門家組織は、4日までに確認された全国の新規感染者数は前週比1.03倍だったとして、「足元では増加の地域も多くみられる」との見解を示した。座長の脇田隆字・感染研所長は会合後の記者会見で、「置き換わりに伴って感染拡大の可能性はあるが、予測が難しい」として、今後の動向を注視する考えを示した。
 また、統計から死者数がどれだけ多いかをみる「超過死亡」について、2022年は最大約11万3000人に上ったことが、感染研などの推計で判明した。21年(最大約5万人)の倍以上で、脇田氏は「詳細な分析はまだだが、オミクロン株の影響もあると考えられる」と述べた。 (C)時事通信社