天然痘に似た症状が出るウイルス感染症「サル痘(エムポックス)」の国内感染者が、累計で106人に上ったことが12日までに、厚生労働省のまとめで分かった。今年に入ってから確認された患者が計98人で、全体の9割超を占めており、厚生労働省は「国内で感染が拡大していると考えられる」と指摘。疑われる症状があれば、医療機関に相談するよう呼び掛けている。
サル痘は、ウイルスを持つ動物にかまれた場合などに感染するが、発疹部分の接触や体液などを介して人から人へうつる。通常6~13日の潜伏期間を経て、発疹や発熱などの症状が出る。
多くは2~4週間で自然回復し、致死率は低いものの、海外では重症化した例もある。世界保健機関(WHO)によると、欧米などで11日までに8万6000人超が感染し、116人が死亡したという。
国内では昨年7月に初めて感染が確認され、12月までに計8人の報告があった。今年は1月に7人、2月に12人、3月に55人、4月は11日までで24人と急増。全員男性で、海外渡航歴のない人の感染が増えているという。発熱などの症状がない一方、発疹が肛門や口腔(こうくう)に集中するなどの傾向も見られる。
厚労省の担当者は「発疹や水ぶくれなど疑われる症状が見られた場合、最寄りの医療機関に相談してほしい」と話している。 (C)時事通信社
サル痘患者、累計100人超=今年に入り98人、感染拡大か―厚労省「疑われる症状相談を」

(2023/04/12 05:10)