2021年度に病院で働き始めた新卒看護職員のうち、年度内に退職した割合が10.3%に上ることが20日、日本看護協会(東京都渋谷区)の全国調査で分かった。1割を超えたのは、現在の調査手法になった05年度以降、初めてという。協会は新型コロナウイルス流行に伴う医療現場での不安や混乱が影響した可能性もあるとみている。
同協会は昨年秋、全国の病院8165施設に調査を実施し、2964施設から回答を得た。有効回答率は36.3%だった。
日本では新型コロナ感染者が20年1月に初確認されたが、21年度採用の看護職員(看護師、保健師、助産師、准看護師)の離職率は10.3%で、前年度より2.1ポイント増えた。
総退職者数の増減(前年度比)を尋ねると、「とても増加した」(8.0%)と「やや増加した」(26.7%)で全体の3分の1強を占めた。これらの施設の4割近くが新型コロナの影響があったと回答した。
同協会は新卒職員について、新型コロナの影響で卒業前の病院実習が不十分だった恐れがあると分析。担当者は「特に小規模な病院では職員の安全や安心を確保する取り組みが十分ではなく、離職率を高めた可能性がある。新卒職員をフォローアップする体制や研修が必要だ」と指摘している。 (C)時事通信社
新卒看護師ら離職、初の1割超=協会「コロナ影響の可能性」―21年度全国調査
(2023/04/20 04:53)