新たな感染症危機に備えた新型コロナウイルス対策の特別措置法と内閣法の改正案は20日、参院内閣委員会で採決が行われ、自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決された。21日の参院本会議で成立する見通し。
 岸田文雄首相は採決に先立つ内閣委の質疑で、「コロナ収束に向けた取り組みを着実に進め、次の感染症危機への対応を具体化することが重要だ。不断の検証を行う」と強調した。
 立憲民主党や共産党などは「かえって有事に混乱を来す。あまりに中途半端だ」として反対した。
 改正案では、内閣官房に「内閣感染症危機管理統括庁」を新設。感染症対策の立案や総合調整を一元的に担う。トップの「内閣感染症危機管理監」には官房副長官が就く。早ければ、9月1日にも発足させる。
 都道府県知事に対する首相の指示権限も強化する。現行法では、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」の発令中に限られているが、政府のコロナ対応の初動が遅れた反省を踏まえ、政府対策本部の設置時点から可能にする。 (C)時事通信社