近鉄グループホールディングス(GHD)は25日、傘下のKNT―CTホールディングス社長の米田昭正氏が社長に就任する人事を取り消したと発表した。KNT子会社の近畿日本ツーリストが新型コロナウイルスワクチン接種業務で過大請求していた不祥事が発覚したため。近鉄GHD社長には、会長に内定していた都司尚近畿日本鉄道社長が就任、相談役に退く予定だった小林哲也会長は留任する。6月に開く株主総会後の取締役会で正式決定する。
 近畿日本ツーリストでは、大阪府東大阪市や静岡県焼津市など複数の自治体から請け負ったワクチン接種のコールセンター業務で過大請求が発覚。同社はワクチン接種関連業務を約150自治体から受託しているといい、KNTは原因究明のため、17日に社外の弁護士らによる調査委員会を設置した。米田氏はKNT社長にとどまり、再発防止を主導する。 (C)時事通信社