新型コロナウイルスワクチンの副反応を調べる厚生労働省の専門部会が28日開かれ、接種後に発熱頭痛などが長期間続いた症例に関する初の実態調査結果を公表した。症例は関節痛や手足のしびれなど多岐にわたっていたが、「現時点で懸念される特定の症状の集中は見られなかった」としている。
 厚労省研究班の報告によると、調査は2021年2月~22年5月に受診した10~90代の男女が対象。医療機関から128人、医師から119人の回答があった。
 医療機関から回答があった128人のうち、最も受診回数が多かった診療科は総合内科(25人)で、救急科(22人)、脳神経内科(18人)と続く一方、皮膚科(4人)、精神科(1人)もあった。医師からの回答には最も支障が出た症状についての質問もあり、発熱が最多の28人となる一方、関節痛(9人)、意識障害(4人)、しびれ(1人)などを訴えた人もいた。今回の調査は症状とワクチン接種との因果関係については調べていない。
 調査に当たった大曲貴夫国立国際医療研究センター国際感染症センター長は「今後は個別の症例を詳細に調べる必要がある」と指摘した。 (C)時事通信社