国立がん研究センターなどは28日、がん免疫治療薬のニボルマブ(商品名オプジーボ)とイピリムマブ(同ヤーボイ)を併用した非小細胞肺がんの臨床試験で、11人が死亡したため、試験を中止したと発表した。原因は不明だが治療との因果関係を否定できず、ヤーボイの影響が強い可能性があるという。
 がんセンターによると、ヤーボイなどは免疫を活性化してがんを攻撃する「免疫チェックポイント阻害薬」で、国内で薬事承認されている。両薬を使った治療法は2020年11月に保険適用されており、臨床試験は別の治療法との効果を比較するため21年4月に全国で始まった。
 試験の結果、治療を受けた148人のうち11人(7.4%)が亡くなった。想定の5%を上回っており、試験は今年3月末に中止された。同センターは患者に対し、両薬を使用中でも自己判断で中断せず、主治医と相談するよう呼び掛けている。 (C)時事通信社