【ニューヨーク時事】2020年の新型コロナウイルス大流行で多くの命が失われ、一時は「ゴーストタウン」と化した米ニューヨーク市マンハッタンの繁華街。それから3年を経て、主要産業である観光業が順調に回復している。観光客数が右肩上がりで伸び続け、業界関係者は復活の手応えを実感している。
「米国人は8割が戻ってきた感じ」。ブロードウェー・ミュージカルで音楽制作に携わる日本人のヒロ・イイダさん(57)は、活気を肌で感じている。世界中の人々が行き交い「世界の交差点」と呼ばれるタイムズスクエアは、ミュージカルを楽しみに集まる人であふれる。
調査会社STRによると、コロナ禍で落ち込んだ市内ホテルの客室稼働率は、4月15日までの4週間で80.3%。コロナ禍前の19年のほぼ同じ頃の水準に回復した。職場の近くに住むイイダさんは「海外からはまだ6割ぐらいの戻り」としつつも、ミュージカルがかつてのにぎわいの復活に役立つと期待する。
市観光当局によれば、ニューヨークを訪れる人は19年に過去最高の6660万人を記録。20年はコロナ禍で3分の1に激減したが、今年は6330万人にまで回復する見通し。市は治安対策にも自信を示しており、海外観光客の増加に弾みがつけば、24年に過去最高記録が塗り替えられそうだ。 (C)時事通信社
活気戻る「ゴーストタウン」=コロナ後の回復に手応え―NY観光業

(2023/04/29 15:17)