日本イーライリリーと田辺三菱製薬は本日(4月18日)、2型糖尿病治療薬として昨年(2022年)9月に承認され、今年3月に薬価承載されたグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)/グルカゴン様ペプチド(GLP)-1受容体作動薬チルゼパチド(商品名マンジャロ皮下注)の販売を開始したと発表した。承認から約半年を経ての発売となる(関連記事:新規、一部変更を含め42種を承認)。
新たな2型糖尿病治療薬として注目
チルゼパチドは、GIPとGLP-1の2つの受容体に単一分子として選択的に長時間作用し、血糖値を改善する。日本に先立ち、米国では昨年5月13日に承認を取得、6月7日より販売を開始している。
チルゼパチドの有効性ついては、2型糖尿病だけでなく肥満症でも検証が進められている。肥満症に対する同薬の体重減少効果を検討したSURMOUNT1試験では、15mgの週1回投与により体重が20.9%減少した(N Engl J Med 2022; 387: 205-215、関連記事:【解説】肥満症に対する内科的治療の復権)。
GLP-1受容体作動薬をめぐっては、以前から「GLP-1ダイエット」として広告宣伝され、自由診療で処方されるケースが問題となっていた。日本糖尿病学会は4月12日に公式サイトで適正使用を呼びかけるコメントを出している(関連記事:適応外使用にNO!GLP-1受容体作動薬)。
なお、今回は開始用量(2.5mg)と維持用量(5mg)の2規格を先行して発売し、高用量の4規格(7.5mg、10mg、12.5mg、15mg)は今年6月12日の販売開始を予定している。
(栗原裕美)