英・Astrazenecaは昨日(3月9日)、同社の第三世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬オシメルチニブについて、ADAURA試験の結果、早期(ⅠB、Ⅱ、ⅢA期)EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法においてプラセボ群と比べ全生存(OS)を有意に改善したと発表した。
データ詳細は近日学会で公表予定
NSCLC術後補助療法におけるオシメルチニブの使用をめぐっては、『肺癌診療ガイドライン 2022年版』で、OSに関するエビデンス不足などを理由に推奨度の決定が見送られた経緯がある(関連記事:「術後オシメはなぜ推奨度決定不能なのか」)。
ADAURA試験は、早期EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者682例を対象に術後補助療法としてのオシメルチニブの有効性と安全性を検討した国際共同第Ⅲ相ランダム化比較試験である。主要評価項目はⅡ、ⅢA期患者の無病生存(DFS)、副次評価項目はⅠB、Ⅱ、ⅢA期患者のDFSおよびOSだった。これまでDFSの改善効果は報告されていたが、OSについては未到達だった(関連記事:「肺がん術後オシメルチニブ、DFSを大幅改善」「術後オシメルチニブ、長期でもDFSを改善」)。
臨床試験の責任者である米・Yale Cancer Center/Smilow Cancer HospitalのRoy S. Herbst氏は「今回の結果はADAURA試験におけるDFS延長を補強するものであり、早期NSCLC患者のOSを延長する可能性を示している」とコメントしている。詳細なデータは、近日中に学会で発表されるという。
(平山茂樹)