新型コロナウイルスの感染者数の集計方法は8日以降、全ての患者情報を集める「全数把握」から、全国約5000の医療機関より報告を受ける「定点把握」に変更される。医療機関1カ所当たりの平均患者数などを、毎週金曜日に都道府県別で公表する。毎日の新規感染者の発表は8日が最後となる。
 都道府県による死者数の集計・公表も原則終了。死者数は例年の水準をどれだけ上回ったかを示す「超過死亡」を基に推測し、6月9日から定期的に公表する予定だ。
 厚生労働省によると、定点把握では、季節性インフルエンザと同じ医療機関で患者数を集計し、国立感染症研究所が流行状況を分析する。1回目の報告は5月8~14日のデータで、同19日に厚労省や感染研のホームページで公表される。
 定点把握はインフルの集計でも導入されており、医療機関1カ所当たりの患者数が1人以上になると「流行入り」、10人以上で「注意報」、30人以上で「警報」との指標が設定されている。
 一方、新型コロナは病床使用率なども考慮する必要があるとして、厚労省は当面指標を設けない方針。下水に含まれるウイルスを調べる「下水サーベイランス」などを活用し、感染再拡大の兆候をつかむ計画という。
 死亡届を基にした死亡者の総数把握には2カ月、死因別の集約は5カ月を要する。このため、同省は一部自治体から死者数を集め、例年と比べてどれだけ増えたかを示す「超過死亡」を1カ月以内に把握する。 (C)時事通信社