精子の成熟に不可欠なたんぱく質をマウスの実験で新たに発見したと、大阪大微生物病研究所の伊川正人教授や浄住大慈助教(現名古屋大特任講師)らが11日、発表した。このたんぱく質「NICOL(ニコル)」が働かないと、精巣で作られた精子が「精巣上体」で成熟できず、卵子を受精させることができない。
 人でも同様と確認されれば、男性に原因がある不妊症の解明に役立つと期待される。また、NICOLの働きを抑える物質が見つかれば、副作用が少ない男性用避妊薬を開発できる可能性があるという。論文は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。 (C)時事通信社