【パリ時事】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は11日、天然痘に似た症状の感染症「サル痘(エムポックス)」について、感染者の減少が続いているとして、昨年宣言した「緊急事態」の終了を発表した。10日に開かれたWHOの専門家会合で同様の判断が示されたことを受け、約10カ月で宣言解除に踏み切った。
 テドロス氏は記者会見で「エムポックスは引き続き公衆衛生上の大きな課題で、忍耐強い対策が必要だ」と述べ、警戒を怠らないよう訴えた。
 アフリカの一部地域で発生していたエムポックスは、昨年5月ごろから欧米などに感染が拡大。日本では同年7月に感染者が初確認された。WHOによると、同年8月には1週間当たりの世界の新規感染者が7500人を超えたが、ここ数カ月は100人前後で推移していた。 (C)時事通信社