厚生労働省は12日、マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」を医療機関で使用する際に別人の情報がひも付けされていたケースを確認したと発表した。健康保険組合をはじめとした医療保険者が加入者の情報を登録する際の入力ミスが原因とみられる。別人の医療費などの個人情報が閲覧された可能性があり、厚労省が状況を調べている。
 厚労省によると、健保組合などがひも付けを行う際、住民基本台帳の情報を参考にする場合がある。このときに同姓同名だったり、生年月日が同じだったりする別人と取り違えて登録するケースが以前から起きており、今回も同様のミスだったもようだ。
 厚労省の集計では、2021年10月から22年11月の間に、健保組合などが誤ってひも付けしたのは7312件。このうち5件で個人情報が閲覧された。厚労省はその後、対策を進めてきたが、それでも今回、ミスを防げなかったことが明らかになった。
 こうした事態を受け、厚労省は関係する機関に原因究明や再発防止を要請。加藤勝信厚労相は12日の記者会見で「今後こうしたことが起こらないよう注意したい」と述べた。 (C)時事通信社