大手旅行会社の近畿日本ツーリストが新型コロナウイルスのワクチン接種に関する受託業務を巡って自治体に過大請求していた問題で、大阪府警などは1日、詐欺容疑で、自治体や企業を担当する西日本支社関西法人MICE支店(大阪市浪速区)、静岡支店(静岡市)などを家宅捜索した。捜査関係者への取材で分かった。
 府警などは押収した資料を分析し、過大請求の実態解明を進める。
 親会社KNT―CTホールディングスの米田昭正社長は同日、東京都内で決算を記者発表した際、「多大なるご迷惑とご心配をおかけしていることを心より深くおわび申し上げる」と陳謝。その上で「警察の捜査が入ったことは誠に遺憾。捜査に全面的に協力することを全社に指示している」と述べた。
 同社は1日、点検の結果、過大請求の疑いがあるのは計約14億7000万円に上ると発表。不正請求の対象は63自治体あるといい、うち大阪府を含む3自治体には返金したという。当初、80を超える自治体に最大計約16億円を過大請求した疑いがあるとしていた。 (C)時事通信社