政府は16日の閣議で、2023年版の男女共同参画白書を決定した。20~39歳で子を持つ男性のうち、「家事・育児の時間を増やしたい」が27.7%で、「減らしたい」の14.1%を上回ったとする調査結果を紹介した。若年層で意識の変化が見られるものの、実際にはいまだ女性に家事・育児が偏っていると指摘。希望に応じて生き方や働き方を選べる「令和モデル」への変革を訴えた。
調査は、内閣府が白書作成の過程で22年12月~23年1月にインターネットを使って実施。国内に在住する20~69歳の2万人が回答した。
調査によると、20~39歳で子を持つ女性では「家事・育児を減らしたい」が33.5%で「増やしたい」の14.4%を上回った。「仕事の時間を減らしたい」は男性が34.1%、女性が23.2%だった。「家族とくつろいだりする時間を増やしたい」は男女ともに4割を超えた。
仕事を減らしにくい理由は、月46時間以上残業する20~39歳男性の回答で「仕事量が多い」(47.5%)、「人手不足」(38.6%)、「残業する人を評価する風潮がある」(32.7%)、「職場や上司の理解がない」(30.5%)の順で多かった。白書は「男性は自ら望んで長時間労働を行っていない場合が多い」と指摘した。
白書は「女性が子育てかキャリアかを選択しなければならない状況は、少子化対策、経済成長の観点からも損失が大きい」と強調。「令和モデル」実現に向けて▽長時間労働の是正▽男性の育児休業取得▽安心して子どもを預けられる仕組みづくり―の推進を求めた。 (C)時事通信社
家事育児「増やしたい」男性3割=働き方選べる令和モデルを―男女共同白書

(2023/06/16 09:23)