旧優生保護法に基づく不妊手術を巡り、国の報告書が提出されたことを受け、国賠提訴した原告や弁護団は19日、東京都内で記者会見し、「当事者への聞き取りが不十分だ」「被害者に向き合って」などと語った。
不妊手術を強制されたとして国を提訴し、東京高裁で昨年3月に賠償が認められた男性(80)は、国から聞き取り調査の依頼がなかったと明かし、「報告書でどう変わるのかを知りたい。被害者に向き合ってほしい」と語気を強めた。
訴訟では、国が高裁判決を不服として上告している。男性は「国には上告を一日も早く取り下げてもらいたい」と求めた。
全国弁護団共同代表の新里宏二弁護士は、報告書に掲載された当事者へのアンケートの回答者が40人にとどまったことに触れ、「これで本当に当事者の実態が分かるのか」と疑問視。「報告書を踏まえ、政府と国会が協力して解決の大きなきっかけにしてほしい」と期待を込めた。 (C)時事通信社
「調査不十分」「向き合って」=報告書提出で当事者ら―強制不妊
(2023/06/19 20:37)