東京都内の救急隊の出動件数が、過去最多となった昨年を上回るペースで増加していることが1日、東京消防庁への取材で分かった。夏場は熱中症などでさらなる出動が見込まれ、同庁は出動が急増した際にホームページ(HP)などで「救急車逼迫(ひっぱく)アラート」を表示する仕組みを導入。稼働状況を周知することで、適時・適切な利用を訴えるのが狙いだ。
同庁によると、6月25日までの出動件数は41万7001件(速報値)で、前年同期より2万100件以上多い。このペースで推移すれば、年間でも過去最多だった昨年の87万2075件を上回る可能性がある。
通報を受けて救急車が現場に到着するまでの時間は、5月末までで平均9分25秒(速報値)。救急隊を増やすなどして対応しているが、昨年の9分43秒から大幅な短縮には至っていない。
こうした状況を受け、1日から「救急車逼迫アラート」の運用を開始した。23区内または多摩地区内の出動率が80%を超え、非常用の隊が編成されると、HPやSNSなどにアラートが表示されるという。
例年、7~8月は熱中症による救急搬送が増える。同庁は「逼迫時には緊急性が高い通報への迅速な対応が難しくなる。救急車を呼ぶかどうか迷った場合は、救急相談センター(#7119)を利用してほしい」と呼び掛けている。 (C)時事通信社
「救急車逼迫アラート」開始=出動最多ペース、適正利用を―東京消防庁

(2023/07/01 04:44)