【ワシントンAFP時事】国際NGOオックスファムは19日、世界の富豪上位1%による炭素排出量が経済的に貧しい約50億人の排出量に匹敵するとの報告書を公表した。気候変動は人類共通の課題であるものの、全ての人に平等に責任があるわけではないとして、排出量に応じた負担の適正化を呼び掛けた。
報告書によると、2019年の時点で世界人口の1%に当たる最富裕層約7700万人が地球温暖化の原因とされる炭素の16%を排出した。これは、所得水準で下位66%に相当する約50億人の排出量と同程度だった。
ただ、調査対象となったのは個人の消費活動に伴う排出量で、富豪の投資先企業による排出量ははるかに大きくなるという。
報告書の共同執筆者は「豊かであればあるほど排出を削減しやすい。(富裕層が所有する)3台目の車はいらない」と指摘。「排出量が最も多い個人に最大の負担を求める政策を施行しなければ、良い政治とは言えない」と訴えた。 (C)時事通信社
富豪1%の炭素排出、50億人に匹敵=国際NGO「負担の適正化必要」

(2023/11/20 14:27)