【ニューヨークAFP時事】国連児童基金(ユニセフ)は10日、子供の出生登録に関する新たな報告書を公表した。登録自体は増加したものの、依然として1億5000万人の子供が登録されず、無国籍状態や人権侵害の危機にさらされる「見えない存在」になっていると警鐘を鳴らした。
 報告書によると、5歳未満の子供のうち過去5年間に出生登録されたのは推定77%で、2019年から2ポイント上昇した。無登録の子供の半分以上はサハラ以南のアフリカ諸国で暮らしているという。また、5000万人は登録はあっても公的な出生証明がない状態だと指摘した。
 ユニセフのラッセル事務局長は、声明で「出生証明によって法的に認識されることは、子供を危害や搾取から保護する基盤だ」と強調。子供たちがワクチン接種や教育など不可欠な行政サービスを受けるためにも、登録が必要だと訴えた。 (C)時事通信社