米シカゴ大などの研究チームは、院内感染対策に役立てるため、同大付属の新しい病院で施設や看護師、患者らに付着した細菌の大規模調査を行い、分析結果を米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシンに25日発表した。
 新病院の床や壁、備品に付着した細菌は、オープン前は野外の土壌や河川などに生息する細菌が多いが、オープン後間もなく、人の皮膚や口、鼻などに常に存在する「常在菌」と呼ばれる種類が大半を占めるようになった。
 患者が入院した当日は、病室に存在する細菌が患者の皮膚などに移るが、翌日からは逆に患者の常在菌がベッドや備品を通じ、病室に広がる傾向が見られた。
 医師や看護師ら、同じフロアで働くスタッフの間では、気温や湿度が高い夏の後半から秋の前半に細菌がやりとりされて共通性が高まり、冬には共通性が低下した。
 常在菌の大半は無害で、皮膚や腸では健康を守る働きもあるが、黄色ブドウ球菌などが院内で手術後の患者や高齢者に感染すると、死亡する場合がある。調査は院内の平常時の細菌の種類や数の変動を把握し、抗菌薬への抵抗性に関与する遺伝子が広がる過程などを解明するため行われた。 (C)時事通信社