健康な日本人105人について、主要な5種類の免疫細胞ごとにDNA配列の個人差が遺伝子の働きを強めるか弱めるかを網羅的に調べてカタログにしたと、理化学研究所と東京大医学部の研究チームが29日付の米科学誌ネイチャー・ジェネティクス電子版に発表した。
 このカタログを関節リウマチやぜんそく、がんなどの患者と比較すれば、詳しい仕組みの解明と新たな治療法や薬の開発に役立つという。105人の内訳は男性21人、女性84人で、平均年齢39歳。
 人間の全遺伝情報(ヒトゲノム)が解読されて以降、DNA配列の個人差が個々の遺伝子の働きにどう影響するかの解明が進んだ。しかし、病気との因果関係を明らかにするためには、細胞の種類を特定した上で、多数の遺伝子の働きが合わさった効果を調べる必要がある。
 研究チームはこのカタログを利用し、5種類の免疫細胞のうち司令塔の役割を担う「CD4陽性T細胞」について、176個の遺伝子の働き具合を健康な人と関節リウマチ患者で比較。その結果、症状の悪化につながる仕組みを特定できた。 (C)時事通信社