脳梗塞などが原因で、脳内の毛細血管が多数詰まって起きる小血管性認知症の患者は、脳内に特定のタンパク質が通常の5~10倍程度発生していることを、京都大の研究グループが初めて突き止めた。発症との因果関係は不明だが、治療薬の開発につながる可能性があるという。論文は5月31日、国際神経病理学会学術誌電子版に掲載された。
 上村麻衣子特定研究員らのグループは、小血管性認知症7例とアルツハイマー病6例、認知症でない人6例について、67~93歳の死者の脳を調査。その結果、小血管性認知症では「BMP4」と呼ばれるタンパク質が、認知症でない人の5~10倍程度できていた。
 マウスを1カ月間、脳に酸素が十分行き渡らない虚血状態にすると、認知機能が低下しBMP4が約10倍に増加。BMP4を抑制する別のたんぱく質を投与すると改善された。上村氏は「BMP4が認知機能の低下に関係している可能性がある」と話している。
 上村氏によると、小血管性認知症の国内患者数は約50万人で、同症を含むアルツハイマー病患者は約150万人と推計される。 (C)時事通信社