児童虐待が疑われる事案にスピーディーに対応するため、大阪府警が虐待の「危険度」を判定する独自のシステムをつくり、6月から運用を始めた。過去の事例を分析してまとめた50のチェック項目に合致するかパソコンに入力すれば、4段階の危険度が自動的に示される仕組み。4月に発足し、開発に当たった児童虐待対策室は「警察官の迷いをなくして迅速な対応につなげ、子供の命を守りたい」と期待する。
 府警が昨年、虐待の疑いで児童相談所(児相)に通告した数は8536人で、3年連続全国最多。住民による虐待通報も過去最多で、今年はより多いペースで推移している。対応件数が増える一方、虐待と判断する統一基準がなく、現場で判断に迷ったり、捜査を終えた後に対応を決めたりして、時間がかかるケースもあった。
 虐待対策室は、昨年発生した虐待事案のうち約600件を分析。共通する兆候や背景を、重大性や緊急性などの5分類50項目にまとめた。「命の危険が及ぶ行為があるか」「保護者は確認に拒否的か」「児相への通告歴はあるか」など初動段階で分かる各項目について、保護者や児童らから聞き取った内容を入力すると、A~Dの4段階で危険度が判定される。
 最もリスクが高いAと判定されれば、「直ちに児相に通告して保護してもらうべきだ」など望ましい対応も表示。担当警察官の経験や主観に左右されない客観的なデータで判断でき、初期の段階からより迅速、適切な対応が可能になるという。判定結果は対策室で集約し、対応内容をダブルチェックするとともに、今後の対策にも生かす。 (C)時事通信社