日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センター(茨城県大洗町)で作業員5人が被ばくした事故で、放射線医学総合研究所(放医研、千葉市)は12日、5人の肺からプルトニウムを検出できなかったと発表した。原子力機構はこれまで、1人の肺から最大2万2000ベクレルのプルトニウム239が検出されたと発表していた。放医研は「汚染の状況などから内部被ばくの可能性は高い」として、排せつ物を使った検査を続ける。
 放医研によると、7日に5人を受け入れた直後の検査では、5人中4人に最大で1平方センチ当たり0.05~0.1ベクレル程度の汚染が体の表面にあった。原子力機構が検出した2万2000ベクレルは、これらの汚染が影響した可能性が高いという。
 放医研は体表面の除染を実施。全員の肺を3、4回調べたが、プルトニウムを検出できなかった。検出可能な最小値は人によって異なり、5000~1万ベクレルという。一方、別の放射性物質アメリシウム241が検出された人がいたが、数値は徐々に減少しているという。
 5人は搬送後、10日まで放射性物質の排出を促す薬剤の投与を受けた。当初は疲労が見られたが、現時点で健康に異常はなく、近く退院する見込み。
 放医研の上部組織の量子科学技術研究開発機構の明石真言執行役は記者会見で、「排せつ物検査の結果が出ていないので確定的なことは言えないが、鼻腔(びくう)内の汚染や、数時間滞在した環境に汚染があったので、おそらく体内被ばくはあるだろう」と説明した。
 原子力機構も12日記者会見し、「当初の対応は迅速性を優先したので、過大評価の傾向を含んだものにならざるを得ない」と説明した。
 薬剤の投与は被ばくから2時間が目安とも説明したが、実際には10時間以上たっていた。除染や管理区域からの移動に時間がかかったといい、西川信一安全・核セキュリティ統括部次長は「原因究明と合わせて検証したい」と述べた。 (C)時事通信社