高齢者に多い目の難病「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性」が起きる様子を人の細胞を組み合わせた実験で一部再現したと、東北大の梶弘和准教授や阿部俊明教授らが17日までに英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。治療法や新薬の開発に役立つという。
 この難病は網膜の中心部にある黄斑に破れやすい血管ができ、血液の成分が漏れるなどした結果、網膜に障害が起き、視力の大幅低下に至る。
 梶准教授らは、網膜の最も外側の層を構成する網膜色素上皮細胞と血管内皮細胞を、細かい穴が多数開いた薄膜を隔てて培養。網膜色素上皮細胞の側で血糖や酸素を減らすと、血管内皮細胞が膜を通過して移動し、網膜色素上皮細胞の層が崩壊した。
 これは網膜色素上皮細胞から「VEGF」と呼ばれる血管を成長させる物質が分泌されたためとみられる。患者でもVEGFの阻害薬が治療に使われており、発症の仕組みが一部再現された。理化学研究所などは人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った網膜色素上皮細胞を患者の目に注入する臨床研究を進めている。 (C)時事通信社