雌マウスの脳で、性行動を促す雄のフェロモンによって活性化される神経細胞と、天敵のヘビを感知した場合に活性化される神経細胞が同じ部位で隣接していることが分かった。東京大大学院の東原和成教授らが22日付の米科学誌ニューロン電子版に発表した。
 この部位は脳の視床下部にある「腹内側核背側部」。全く異なる情報を処理する神経細胞が隣接する構造になった理由は不明だが、本能的な行動の制御や性機能障害の仕組みを解明する手掛かりになるという。
 東原教授らは2005年、雄マウスの涙腺から分泌されるフェロモン「ESP1」が、雌マウスの鼻の奥にある器官を通じて脳に作用し、性行動を促すことを発見した。今回の研究では、脳で作用する経路が天敵を感知して避ける場合と共通しており、別々の神経細胞が活性化されることを突き止めた。
 ESP1を他の雄マウスが尿と一緒に感知すると、攻撃行動を示す。雄の場合は作用する部位が雌と異なり、脳の「視索前野」であることも分かった。 (C)時事通信社