23日に告示された東京都議選では、各党が3年後の東京五輪・パラリンピックに向け、「原則屋内禁煙」などとする独自の条例制定を公約に掲げる。飲食店を原則禁煙とする厚生労働省の受動喫煙対策は、与党と調整が付かず通常国会への法案提出が見送られたが、開催都市の有権者はどう判断するのか。
 江東区豊洲のステーキ店「黒毛和牛 USHIQRO」は、昨年のオープン当初から店内完全禁煙だ。店長の熊谷賢太さん(33)は「禁煙を求める声が多く、世の中のニーズに応えたかった」と理由を語る。予約をキャンセルされたこともあるが、「禁煙の方が売り上げが増える」と考えている。ただ、受動喫煙対策については「お店の個性に任せればいいのでは」と冷静だ。
 「全面喫煙可」での営業が14年目を迎えた銀座の創作料理店「ふらいぱん」。客は喫煙者が多く、店長の栗木哲郎さん(63)は「禁煙になれば客足は今の半分以下になる」と嘆く。
 仮に分煙が認められたとしても、「うちは狭いから分煙にしたら圧迫感が出る。地下なので空調も難しい」。完全禁煙になった場合は「店をやめるしかない。赤字になってまでやるつもりはない」と諦め顔だ。
 肺がん患者の会「ワンステップ!」で活動する練馬区の男性会社員(57)は2年前、手術で肺の一部を切除し、現在も再発防止のため定期検査を受けている。「外食の際、喫煙可の所には行きたくないので選択の幅が狭いのが困る」とこぼす。
 法案が通常国会に提出できなかったことには「なぜ反対するのか理解できない」と憤り、「投票でしかリベンジできないので、公約の差をよく見て決めたい。各党は公約をもっと具体化してほしい」と話した。 (C)時事通信社