【パリ時事】フランス政府は、自然な方法では出産できない女性同士のカップルや独身女性に対しても生殖医療を認める方向で検討を始めた。国家倫理諮問委員会が6月下旬、「生殖医療をすべての女性に解禁すべきだ」と提言する答申を発表し、マクロン大統領も賛成の構え。ただ、同性カップルに厳しい姿勢を取るキリスト教団体など保守層は反発しており、調整は難航が予想される。
 フランスでは現在、不妊に悩む男女のカップルにのみ、体外受精や第三者の男性による精子提供といった生殖医療を容認している。倫理委の答申によると、近年では規制を逃れて隣国のスペインやベルギーで生殖医療を受け、妊娠する仏女性が毎年2000~3000人に上るとみられる。
 こうした事態を踏まえ、答申は「家族の在り方は変化している。独身女性や女性カップルに生殖医療を禁じることは問題だ」と結論付けた。ベルギーで生殖医療を受け、女性のパートナーと生後3カ月の女児を育てる女性(29)は地元メディアに「解禁されたら2人目も考えたい」と話し、倫理委の判断を歓迎する。
 ただ、女性が他人に子供を引き渡す目的で出産する「代理母」については、代理母となる女性の心身に悪影響を及ぼす懸念があるとして答申は容認しなかった。このため、男性同士のカップルが子供を得る権利は依然制限される。 (C)時事通信社