京都大ウイルス・再生医科学研究所の末盛博文准教授は4日、厚生労働省と文部科学省の承認を受けた再生医療用の胚性幹細胞(ES細胞)について、今年10月にも作製を始め、2017年度末には希望する医療機関に提供できるとの見通しを発表した。
 京大は、不妊治療などを手掛ける足立病院(京都市中京区)の協力を得て、廃棄が決まった受精卵をES細胞の作製に利用する。
 不妊治療の患者には、説明と同意を得る手続きを行った上で、不要になった受精卵を提供してもらい、10月にも作製を開始する。来年2月ごろから提供できる見通しという。
 ES細胞は人工多能性幹細胞(iPS細胞)のように、さまざまな細胞になる能力を持つ。海外ではES細胞を使って網膜の変性症や脊髄損傷、パーキンソン病、糖尿病、心疾患の臨床試験(治験)が進められている。
 末盛准教授とともに記者会見した足立病院の畑山博院長は「(受精卵を)捨てることに悩む患者はたくさんいる。一つの選択肢を示すことができる」と述べた。 (C)時事通信社