医師が勤務先の病院と結んだ雇用契約をめぐり、年俸1700万円の中に残業代が含まれていたかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は7日、「残業代は含まれていない」と判断した上で、医師の請求を棄却した二審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。
 訴えていたのは、神奈川県内の医療法人を解雇された男性外科医。雇用契約に基づき、午後9時以降の「必要不可欠な業務」には残業代が支払われたが、医師は午後9時までの残業分も支払うよう求めていた。
 第2小法廷は、年俸1700万円の中に残業代を含むことで双方が合意していたが、残業代に相当する金額の内訳は不明確だったと指摘。「残業代をあらかじめ賃金に含めて支払う場合には、通常賃金との区別が必要」とした判例に基づき、「残業代が支払われたとは言えない」と結論付けた。
 一審東京地裁は、職務内容や賃金額などから合意は有効だとし、「残業代は含まれていた」と判断。二審東京高裁もこれを支持していた。 (C)時事通信社