【北京時事】服役中に肝臓がんと診断されたノーベル平和賞受賞者で民主派作家の劉暁波氏が入院する中国・瀋陽(遼寧省)の病院は8日、米国とドイツの医師が劉氏を同日診断したと発表した。両医師は「がんが全身に転移し、既に終末期にある」との見解を示すとともに、中国国外での治療を提案した。しかし、中国側は「患者を動かすのは安全ではない」と拒否したという。
 中国当局が反体制的な人物の治療のため、外国の専門家を受け入れるのは異例。病院はホームページで、米独の医師が劉氏を診察する様子を写した写真も公表した。対外的に人道主義的な姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。
 発表によると、両医師は劉氏について「大量の腹水があり、病状は深刻だ」と指摘。痛みを和らげることに重点を置いた治療を続け、今後の病状の推移に応じて、改めて放射線治療などを行うかどうか決めると説明した。
 劉氏の治療チームに加わったのは独ハイデルベルク大学と米テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターの専門医。中国当局は5日、劉氏の治療のため、海外から肝臓がん治療の専門家を受け入れると発表していた。
 一方、当局は病院の警備を強化しているもようだ。米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、病院周辺を取材していた同局の記者と助手が、何者かに囲まれ暴行を受け、カメラなどの機材が破壊された。 (C)時事通信社