九州北部豪雨の被災地では、避難生活の長期化から体調不良を訴える住民が出始めた。連日の真夏日で熱中症やエコノミークラス症候群を発症しやすい状況になっており、自治体は避難所の暑さ対策に苦慮している。
 大分県日田市で一時100人以上が避難した市立三和小学校の体育館。冷房設備がないため大型扇風機3台を設置したが、熱中症の疑いで8日に80代の男女2人が点滴を受けた。
 市は翌日、空調設備が整った夜明公民館への移動を提案したが、実際に移った住民は数人にとどまった。体育館に残った無職松野義則さん(72)は「公民館は狭くて天井も低く、圧迫感がある。環境が変わる方がストレスだ」と話す。
 小学校周辺に冷房を備えた避難所はなく、公民館は車で10分ほどの距離がある。自治会長の野田高徳さん(68)は「自宅や仕事場から遠くなる人もいれば、移動手段がないお年寄りもいる。健康を気遣う必要は分かるが…」と顔を曇らせる。
 こうした事態を受け、市は体育館に冷蔵庫2台を設置し、県は医師などの巡回を強化した。血栓予防のため、血流改善に効果がある弾性ストッキングのほか、水分補給や適度な運動を勧めるチラシも配布している。
 日田市を所管する県西部保健所の池辺淑子所長によると、和式トイレのみの避難所では水分を控える人が多いのが悩みの種という。「汗をかくこの時期は脱水状態になりやすい。お互い声を掛け合ったり、脚をマッサージしたりするなど予防に取り組んでもらいたい」と呼び掛けている。 (C)時事通信社