海外企業を買収し、バイオ医薬品の製造受託事業に参入する国内メーカーが相次いでいる。バイオ医薬品は既に、世界の医薬品売上高上位10品目のうち過半数を占めており、今後も大きな成長が見込まれる。自前の設備を増やせない国内外の製薬会社が高い専門性を持つ会社に製造を委託する動きが加速するとみて、メーカーは設備投資も積極的に進めている。
 バイオ医薬品は、副作用が少なく、多くの病気などで最先端の治療を提供できると期待されている。ただ、製造工程でのわずかな変化によって特性や性質が変わってしまうとされ、製造方法は難しく、一度に製造できる量も限られている。
 富士フイルムは1990年代から国内で医薬品の製造を受託してきたが、ここ数年は海外でのバイオ医薬品の受託製造に注力している。
 2011年に米製薬大手から買収した子会社「フジフイルム・ダイオシンス・バイオテクノロジーズ(FDB)」(米ノースカロライナ州)は、米英3拠点でバイオ医薬品などを製造。FDBは、製造受託事業の拡大を目指し、培養設備の増強や製法の改良を検討しており、スティーブ・バグショー最高経営責任者は「今後6年間で200億~300億円を投資したい」と話す。
 旭硝子は16年夏以降、ドイツとデンマークのバイオ医薬品製造2社を買収した。旭硝子は国内でバイオ医薬品を製造してきたが「日本は(受託の)市場が小さい」(広報・IR室)ため、海外企業の買収に踏み切った。合成ゴム大手JSRも15年春に米企業を買収。バイオ医薬品の受託製造に参入し、今年に入り培養設備の増設を決めた。
 バイオ医薬品は開発までの時間や設備投資の負担が大きいため、各社は「受託会社の役割はさらに高まっていく」(富士フイルム)とみている。 (C)時事通信社