【ベルリンAFP=時事】薬剤の審査や試験を監督する欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は英国のEU離脱後、現在の所在地ロンドンを離れなければならない。欧州単一市場の医薬品許認可を牛耳る機関をめぐり、EU加盟国間の奪い合いが熱を帯び始めた。
 ドイツは12日、EMAをボンに誘致したいと名乗りを上げた。グレーエ保健相は独政府としては珍しい英語の声明まで発表し、「もしドイツに来てくれれば、専門知識と強力なドイツの機関が緊密に協力できる」と強調した。
 西ドイツ時代の首都だったボンには、今も幾つもの政府機関や国際機関が残っている。保健相は「科学的にも経済的にも、ボンには卓越した環境があり、EMAにとって最高の移転先となる」と売り込んだ。
 EMAの誘致にはフィンランドの首都ヘルシンキや、スペイン東部バルセロナも強い意欲を見せる。フランス、デンマーク、オランダからも声が上がり、欧州委員会が11月に暫定的な判断を示す。しかし、フィンランドは早くも欧州委の判断には必ずしも従わないと公言。最終的にはEU加盟国間の調整に持ち込まれそうだ。 (C)時事通信社