神奈川県の精神科病院で身体拘束を受けた後に死亡したニュージーランド国籍の男性の遺族らが19日、厚生労働省で記者会見し、「不必要な拘束はやめるべきだ」と訴えた。今後、精神科医療での身体拘束の状況改善や実態調査を厚労省などに求めていくという。
 死亡したのは鹿児島県で英語を教えていたケリー・サベジさん=当時(27)=。遺族によると、ケリーさんはそううつ病が悪化し、4月30日に神奈川県の病院に措置入院。5月10日に心肺停止状態で発見されるまで、ベッドに手首や足、腰を拘束され続けた。同17日に搬送先の別の病院で死亡した。
 死因は肺梗塞が疑われ、拘束が原因だった可能性があるという。母親のマーサさん(60)は「処置は理解し難く、本当に悲しい最期だった。日本は拘束をやめるべきだ」と語った。
 マーサさんらは19日、「精神科医療の身体拘束を考える会」を結成。2014年8月に4日間にわたって拘束を受けた後、亡くなった千葉元康さん=当時(45)=の母親らも参加した。
 代表を務める長谷川利夫杏林大教授によると、14年に拘束を受けた人は1万682人に達し、10年で2倍以上になっているという。海外では数時間~数十時間が一般的だが、日本では96日間が平均と指摘し、「実施過程が闇の中で、人権侵害の有無や被害状況の調査が必要だ」と話した。 (C)時事通信社