人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って重い心臓病を治療する世界初の臨床研究を、大阪大の澤芳樹教授らの研究グループが21日までに、学内の委員会に申請した。計画が認められれば国に申請し、2018年前半に研究を開始する予定。対象は18~75歳の虚血性心筋症患者で、iPS細胞から作った心筋細胞のシートを3人に移植し、経過を観察する。
 研究グループは、京都大iPS細胞研究所が拒絶反応を起こしにくい特殊な免疫型を持つ人から作製し、備蓄しているiPS細胞を使用。心筋細胞に変えて厚さ約0.1ミリ、直径約5センチのシートを作り、重い虚血性心筋症患者の心臓に貼り付けて移植する。がんにならないか安全性を確認するほか、心機能を改善させる効果を調べる。申請は20日付。
 阪大はこれまで、iPS細胞ではなく患者の脚の筋肉細胞を培養したシートを使い、50人以上を治療してきた。シートは再生医療製品として条件付きで早期承認されたが、脚の筋肉は心筋と異なるため、重症の患者には効きにくかった。iPS細胞を使えば、より高い効果が期待できるという。 (C)時事通信社