東京慈恵会医科大付属病院(東京)で男性患者(72)が検査で分かった肺がんの疑いを見逃され、適切な治療を受けられずに2月に死亡した問題で、同病院は24日に記者会見し、過去にも検査結果が共有されず、がんを見逃した例が5件あり、うち2人が死亡していたと明らかにした。再発防止のため、患者にも検査結果を交付するなどの対策を公表した。
 問題を受けた検討委員会(委員長・貝阿弥誠弁護士)が過去の5例も含めて検証。6月末に「診療情報が生かされず病状悪化を招くことは明らかな医療事故」との答申書をまとめ、改善策を提言した。
 答申書や同病院によると、男性患者は2015年10月の持病悪化による緊急入院時に受けたコンピューター断層撮影(CT)検査で、肺がんの疑いが判明した。しかし、引き継いだ主治医チームが診断報告書を読んでおらず、退院後に担当した外来医師も約1年間把握していなかった。
 他の見逃し例は09~15年に発生。50~80代の男女5人がCT検査や病理組織検査でがんの疑いが指摘されながら4カ月~3年間見逃され、50代と70代の男性2人が死亡。今回のケースと同様に、診断した医師と主治医との間で情報が共有されていなかったという。 (C)時事通信社